一個前の記事は香水の話でしたが、今回はまぶたに塗る粉の話です。
byredoの店舗が東京にぽつぽつできはじめたとき、私は疲れ果てていることが当たり前の状態が続いており、このちっぽけな島国に上陸したばかりのピカピカかつ長蛇のカウンターに並ぶ気力が全くありませんでした。さらに遠距離恋愛をしていたり家賃を払ったり関西のジャニーズJr.のうちわを買ったりとかでお金もあんまりなかったので、パルコや伊勢丹の一階を通りながら「あ、日本にもお店できたんだ…」と指をくわえ、頑張って歩く速度を上げスルーしておりました。
そんな折に、パッと輝くアイシャドウが目に入りました。そのあまりにもビビットでモードな配色に「！」となりましたが、ツイッターで「粉質がどうも」というレビューをちらほら見かけました。おかげさまで（大丈夫、あれはすごくかわいいけど、粉質が微妙なアイシャドウなんだ）と我に言い聞かせることができ、その後もカウンターの前で足が止まらないよう、頑張ってスルーを続けました。
しかし最近になり、これは絶対に見過ごせないだろう…と思わざるをえない、素敵なパープルの限定のアイシャドウが発売されました。
休職中、有り余る時間をウィンドウショッピングで溶かしていた私は、ついぞカウンターで足を止めてしまいました。
とはいえこういう限定のかわいいものは、欲しいと思った時には完売しているのが世の常。なにしろ発売から２ヶ月ほど経っていたと思うので、（まだ店頭に置いてあるぜ、完売しているくせに）と少し恨めしい気持ちすらありました。
本能に語りかけるような美しい色と、透き通るようなラメ感が絶妙にかわいい、紫のパレット。店員さんに実際に見せてもらったりなどして、発色のよさと、重ねやすそうなテクスチャーにごくり。（粉質がなんとかと言ってたネットの人たちは、普段どんなアイシャドウを使っているのだろう？）と、顔も見たことない人たちの発言だけを信じ込んでいた自分の愚かさに打ちひしがれました。
それと同時に私は、すでに自分の化粧箱の定位置に収まっているさまざまな紫のアイシャドウを思い浮かべていました。かわいすぎるけど、決め手に欠ける…。もう少し悩みたい、なにせ即決するには家に使いきれていない紫がありすぎるのだ…。そんな苦悩のニュアンスをできるだけ込め、私は「これ、限定なんですよね…」と言いました。
すると店員さんが目を丸くして答えました。「今日、あります。多分、日本の在庫ラスイチです」。
まじか…。その瞬間、いつも素敵なアイシャドウをつけている友人の顔が浮かび、「あ、プレゼントしよう」と心が決まりました（あわせて、気になっていた口紅を自分用にも買いました）。それが先月の出来事です。
そして今月、春限定のアイシャドウが出ました。
今度は18色の大きなパレットで、過去にも何度か限定でこのタイプのものが出ていましたが、今回は特に使いやすそうなピンク系の配色。とはいえ発売後、これもすぐに完売。せめて実物を見てみたいわよね…とカウンターに立ち寄り、心の中でかわいさを確認して、（今日は定番のベーシックなアイシャドウを買って帰ろう）と思いました。
店員さんが「今日はどういう感じですか？」と聞いてくれたので、使いやすいアイシャドウを探してて、と伝えるとあれこれ見せてくれて、（そうそう、byredoの店員さんって快くたくさん色見せてくれるよね。ありがたいなぁ）と気が緩み、「本当はこの限定のパレットが欲しかったんですよね」と言ってみることにしました。
すると店員さんは熱意たっぷりにこう言いました。「これ明日また入ってきます！！ちょっとだけですけど、絶対入ってくるので！！！」「ほら、なにを重ねてもかわいいです！！これを楽しんで、物足りなくなったら定番のものをまた買い足すということで十分だと思います！！！まずはこのパレットをおすすめします！！！」と。
そんなに…！そんなに教えてくれなくても、またすぐ売り切れるはずなのに…！！私が買わなくても売れるはずなのに…！！！
まじでありがとう…！！！！！
そんなわけで、ずっと欲しかったbyredoのアイシャドウを買うことができました。
開けるとこの通り。ラメ感のあるものと、マットなものと、メタリックなものと、バランスよくあります。私には暖色系のパレットに見えますが、店員さんが「右半分が暖色系、左半分が寒色系になっています」と教えてくれました。一見すると中間色ばかり？と思うけど、ちゃんと締め色もあるので影を作ることも簡単です。
普段難しいかもと感じがちなグレーっぽい色も、暖色ゾーンの何かを重ねると良い感じになったり、使うたび発見がある楽しいパレット。買ってよかったぁ〜（そして28日にはまた伊勢丹のネットで在庫復活する模様！）
体調崩してから、めっきりときめきが薄れていたけど、こうして少しずつ気持ちも元気になっている気がします。
